あなたは「脳疲労」という言葉を耳にしたことがありますか?
脳疲労とは、ストレスが過多になり、大脳新皮質と大脳旧皮質の関係性が不調をきたし、脳が正常に機能しなくなった状態をいいます。
この「脳疲労」という概念は、九州大学の藤野武彦名誉教授(医学博士)が提唱されています。また、藤野教授は脳疲労を解消して脳を活性化させる独自の手法「BOOCS(ブックス)理論」の発案者としても知られています。
さて、この「脳疲労」がたまってくるとどんな症状が出てくるのでしょうか?
脳が疲れる原因によって、大きく分けて3つの症状がでてきます。
(1)「身体に対する影響」 身体がだるい、食欲が出ない、など
(2)「精神力に対する影響」 やる気が出ない、無関心になってしまう、など
(3)「思考力に対する影響」 頭が働かない、仕事の効率が落ちる、など
脳の疲れが原因で精神的な疲労となり、それがストレスになっていきます。日本では現在、「もしかしたら自分はうつ病ではないか?」と病院に診察に訪れる人が多いのですが、実際にはうつ病の原因の多くが脳の疲労によるものと言われています。
それでは、脳の疲労をおさえ、うつ病を予防するためにはどのようなことをすればよいのでしょうか?
(1)脳を休ませるのは睡眠や休息が一番
睡眠不足の状態で脳に負担を与えると、脳がオーバーヒートとなり、脳細胞が壊れやすい状態になります。脳細胞の破壊が進行すると、うつどころか生命にも重大な影響を与えかねません。
①15分間の睡眠をとる。
起きている間は、人間の自律神経は交感神経が優位になっています。15分間でも睡眠をとることで、自律神経を副交感神経に切り替えることによって脳の疲労が回復されます。ただし、脳が完全に眠ってしまわないように、15分程度にしましょう。
②瞑想をする。
目を閉じて瞑想をするだけでも、外部から脳に入ってくる情報の大部分をカットすることができます。簡単ですが、これでも脳を休めることができます。また、一緒に音楽を聴くと右脳を使い、左脳を休めることができます。
(2)鼻呼吸をする
呼吸には、鼻で吸って鼻で吐く鼻呼吸と、それを口で行う口呼吸があります。
呼吸の仕方によって自律神経の優位が変わってくるとされています。
鼻呼吸:呼吸が深くなり、副交感神経が優位になる
口呼吸:呼吸が浅くなり、交感神経が優位になる
簡単にできる方法ですので、是非お試しください。また、腹式呼吸で気分転換を図るのも良いです。腹式呼吸にも副交感神経を優位にする効果があります。
(3)好きなことをやる
人間は、好きなことをしている時は副交感神経が優位になります。副交感神経は血行を促進させて、筋肉に緊張を緩め、リラックスさせる神経です。
本を読む、好きなものを食べる、気の合う友人と一緒に過ごすなど、自分の好きなことを日常生活に取り入れましょう。