実は身近なものから抽出される!プラズマローゲンの成分と原料

2018.5.13

プラズマローゲンの成分と働き

プラズマローゲンというのは抗酸化作用を持った脂質の中のリン脂質の一種で、ビニルエーテル結合という特殊な結合子を保有するグリセロリン脂質の一つです。

これは独特な構造のリン脂質の成分で、その構造を持っていないリン脂質とは異なる機能を発揮すると考えられています。その理由は、ビニルエーテル結合は酸素と反応性が高いので酸化ストレスに対する感受性が高く、このためプラズマローゲンは抗酸化作用をもった成分として体の中で働いていると考えられています。

プラズマローゲンは人体内に存在するリン脂質ですが、人間のみならず多くの動物の体内組織に含まれています。人間の場合、特に脳神経細胞、心筋、リンパ球、マクロファージ等などの重要な組織に多く含まれている成分です。

プラズマローゲンはエタノールアミン型とコリン型に大別でき、エタノールアミン型は脳に、コリン型は心筋に多く含まれていると言われています。

プラズマローゲンは、脳機能の根源的な機能をコントロールする成分であることが科学的に証明されており、アルツハイマー型認知症患者の血中からはこのプラズマローゲンの量が減少していることが分かっています。

もともとこのプラズマローゲンは体内で生成されるものですが、加齢やストレス、生活習慣の乱れた生活を送っていると減少する成分であり、また強還元性物質であるため、酸化しやすく、食事から摂取することは難しいといえます。したがって、減少したプラズマローゲンを新たに生成することは簡単にはできません。

プラズマローゲンの原料

プラズマローゲンは様々な動物が体内に持っている成分ではありますが、その量は非常に少ないため、これまではプラズマローゲンを原料として抽出することが非常に難しく、したがって商品化も容易ではありませんでした。

プラズマローゲンは人間やその他の哺乳動物の以外にも、サンマやイワシなどの魚類や、えんどう豆や小豆などの豆類にも含まれていることが分かっています。

ここ数年、プラズマローゲンの研究が非常に進み、鶏、ホタテ、ホヤ貝などから抽出する技術を確立した企業・研究者が出てきました。従って、これらの動物から抽出したプラズマローゲンを原料として商品化されたものも市場に出ています。

たとえば鶏の場合、約1トンの鶏肉から抽出できるプラズマローゲン原料は約30グラム程度と極めて少なく、原料の抽出には非常に高度な技術を必要とします。

つまり、直接鶏肉を食べて人体に必要なプラズマローゲンを補おうとしても、毎日大量の鶏肉を食べ続けるのは容易なことではないということがお分かりいただけると思います。

東証一部上場の丸大食品の研究チームは、プラズマローゲン成分を安定した状態で抽出できる原料を研究する中で、産卵後の親鶏のムネ肉は、より効率的にプラズマローゲンを抽出できることを発見しました。

産卵後の親鶏は年間数億羽も産出されますが、食用に向かないためその多くが廃棄されています。プラズマローゲンを抽出できることにより、親鶏の最大の有効利用法が見出されたともいえるでしょう。

プラズマローゲンPlusには、この丸大食品が製造したプラズマローゲン原料を使用しています。

その一方、一般的にはホタテ等には貝毒の危険があると言われており、特に、ホタテのウロに含有の可能性があるカドミウムは人体にとって有害で、イタイイタイ病の原因になったことでよく知られています。

1番怖いのは、その蓄積性です。ヒトでは体内に約30年間残留すると言われています。ホタテ由来のプラズマローゲンを摂取する場合には、きちんとウロを除去したものであるかどうかを確認した方がいいでしょう。

プラズマローゲンの種類

プラズマローゲンといっても全て同じ成分ではありません。プラズマローゲンには、構造が異なるコリン型とエタノールアミン型というものがあります。また、型によって動物の体内への取り込まれ方も異なります。

小腸でほぼ100%取り込まれるのは、コリン型と呼ばれるプラズマローゲンであり、エタノールアミン型のプラズマローゲンは、ほとんどがそのままでは取り込まれません。鶏由来プラズマローゲンには、コリン型が大変多く含まれています。

その一方で、貝類由来のプラズマローゲンにはエタノールアミン型が多く含まれています。したがって、摂取したプラズマローゲンを多く体内に取り込むためにはコリン型のプラズマローゲンが多く含まれていることが効率的です。

鶏由来プラズマローゲンの摂取により、体内により多くのプラズマローゲンが取り込まれ、その結果、生体内でのプラズマローゲンの生合成が活発になり、体内プラズマローゲン量が増加するのです。

このように、プラズマローゲンと一口で言っても、どちらのタイプの成分が含まれているプラズマローゲンなのか、よく確かめるといいでしょう。