プラズマローゲン研究の第一人者、九州大学の藤野博士と馬渡博士

2018.6.6

藤野武彦博士とは

最近では、「プラズマローゲン」という言葉を目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。プラズマローゲンとは、人間や動物の体内に存在するリン脂質の一種ですが、近年では医学界を中心にこの物質に関する研究が進められています。

中でも、プラズマローゲンの研究者として著名なのは、九州大学名誉教授の藤野武彦博士です。藤野博士は、他にも社団法人プラズマローゲン研究会副代表、レオロジー機能食品研究所代表、医療法人社団ブックス理事長を務められています。

藤野博士の取り組み

 

藤野博士は九州大学医学部第一内科において、内科とくに心臓・血管系の病気の研究を行ってきました。また、「健康科学」という新しいサイエンスに取り組み、その成果の一つとして1991年に「脳疲労」概念を提唱しています。その中で、「脳疲労」を解消し脳を活性化する手法であるブックス(BOOCS:脳指向型自己調整システム)理論を創出しました。この「脳疲労」仮説に基いたBOOCS法は新たな生活習慣病(メタボリック症候群など)の予防および治療法としても、その成功率の高さからマスコミで大きく取り上げられる事となりました。

現在では、医療法人社団ブックス理事長として BOOCS理論を取り入れた診療を行っています。

 一方、レオロジー機能食品研究所 (農水省生物系特定産業技術研究推進機構設立)を1995年に設立。その所長として「医食同源」を提唱しています。さらには、子ども達の「脳疲労」とアレルギー疾患の増加を懸念し、2011年にはNPO法人「ブックスサイエンス」を各分野の活動家と共に設立し、幅広く活躍しています。

もう一人の研究者

藤野博士が「脳疲労」とその解消法である「BOOCS理論」を研究している時に発見したのがプラズマローゲンです。

プラズマローゲンの存在は古くから解っていましたが、その働きの研究はなかなか進んでいませんでした。その理由は、細胞内のプラズマローゲンを抽出することが非常に難しく実際に確認することが容易でなかったためです。

そんな中、1999年にはアメリカの研究チームが、アルツハイマーにかかりその後亡くなった人の脳を調べ、脳の中のプラズマローゲンが減少していることを確認したレポートを発表しました。さらに2007年にはカナダの研究チームが生きているアルツハイマーの方の脳内のプラズマローゲンの量が減少していることを確認しました。

そして、同じ頃九州大学の藤野武彦先生のチームも同じことを確認したのです。

しかし、この研究を進めるにあたって大きな壁がありました。それは、それまでプラズマローゲンを大量に抽出する方法が確立されていなかったのです。そこで、その研究に大きく貢献したのが馬渡志郎博士です。馬渡博士は、藤野博士とは九州大学の同期で脳神経・赤血球膜の生化学的研究に関しては世界的権威の一人です。

馬渡博士は、これまで殆ど不可能とされていた困難のほとんどすべてを解決する方法を発見し、2009年、ついに高純度のプラズマローゲンを大量抽出・製造することに世界で初めて成功したのです。

こうして、藤野博士と馬渡博士の力により、プラズマローゲンに関する研究が新たなステージへと進んでいきました。