認知症のケアにおいて大事なことといえば、何を思い浮かべますか? 要介護者とコミュニケーションを取る、積極的にリハビリをする……初めての認知症介護では、漠然とした答えしか浮かんでこないものです。
特に介護が初めての方にとっては、要介護者とどうやって対応したらよいのか不安も大きいことと思います。
ここでは、認知症ケアの際に知っておきたい基礎知識として6つの基本的なポイントをお伝えします。
介護生活の長い方も、「認知症介護がうまくいかない」と思う時は、焦る気持ちを落ち着けて「認知症ケアの基本」に立ち返ってみましょう。当たり前に行なってきたはずの初歩的な知識の中に、うまくケアするヒントが見つかるかもしれません。
Contents
(1)環境や生活リズムを変えない
認知症になると環境などに大きな変化がると混乱させてしまうことになります。これまで通りの生活リズム続けられるような接し方や配慮が必要です
例えば、部屋の模様や食事のリズムはできるだけ変化をさせないようにしましょう。また、高齢者のペースにあわせて、無理なくできる事を見つけ、健康状態にも気を配りましょう。
(2)会話は単純にわかりやすく
認知症に加え、耳が遠くなっていると、よけいに聞きとりにくくなるので注意します。一般に耳の遠いお年寄りは、高音より低音のほうが聞きとりやすいといわれます。話をするときは、落ち着いた声で、ゆっくりはっきりと、お年寄りの目を見て話しかけましょう。」度にいろいろ話すと混乱しやすいので、伝えたい内容は単純にまとめ、わかりやすい言葉を心がけた方がよいでしょう。
症状が進行するにつれ、認知症のお年寄りは、簡単なことでも理解や判断ができなくなってきます。説明は短くはっきり、わかりやすい言葉でするのが原則です。しかし、どうしてもいわれたことを理解できないなら、それを受け入れ、理解できなくても問題なく過ごせるように、周囲から変えていくことも大切です。
たとえば、「ここは危ないから、向こうに座って」と繰り返すよりも危ない場所を片づけて安全に座れるようにしてあげるのです。介護者の歩み寄りで解決できることなら、無理のない範囲で歩み寄ってください。そのほうが介護者もお年寄りも、イライラや不安感を抑えられます。
(3)信頼関係を大切にする
完璧をめざそうとするとかえって疲れてしまいます。まずは肩のカを抜いて、多少の失敗があっても、お年寄りとの信頼関係をこわさなければそれでよいと割り切りましょう。
どんなときでも介護者は味方なのだと態度で示すようにしていれば、お年寄りは安心し、介護者を信頼します。
お年寄りが安心し、精神的に安定していれば、症状の増悪も少なくなって介護しやすくなります。
(4)お年寄りを不安にさせない
お年寄りが失敗をしたときにきつくしかったり、予定どおりに物事を進められないときに介護者がイライラしていたりすると、お年寄りに不安感を与えます。お年寄りが精神的に不安定な状態になると、異常な言動や行動が増える心配も生じ、介護するのもたいへんです。
不安の回避は甘やかしではありません。失敗したときは冷静に注意し、そのあと温かいフォローをしてください。「茶碗をしっかり持たないからこぼれるんですよ。ここはふいておきますから、ぬれた服は着替えましょうね」という具合です。
(5)受け入れて歩み寄る・共感
症状が進行するにつれ、認知症のお年寄りは、簡単なことでも理解や判断ができなくなってきます。説明は短くはっきり、わかりやすい言葉でするのが原則です。しかし、どうしてもいわれたことを理解できないなら、それを受け入れ、理解できなくても問題なく過ごせるように、周囲から変えていくことも大切です。
たとえば、「ここは危ないから、向こうに座って」と繰り返すよりも危ない場所を片づけて安全に座れるようにしてあげるのです。介護者の歩み寄りで解決できることなら、無理のない範囲で歩み寄ってください。そのほうが介護者もお年寄りも、イライラや不安感を抑えられます。
(6)敬意をはらう
認知痘で記憶障害や知能低下が起きているとはいえ、お年寄り個人の人格を大切にし、敬う気持ちを忘れてはなりません。軽視したり、さげすんだりするような言動は禁物です。
かなり進行しない限り、年長者であるプライドや喜怒哀楽の感情は保たれます。そのため、人前で頭ごなしにしかられたり、否定的な言葉をかけられたりすると、お年寄りの自尊心が深く傷つきます。
温かい気持ちで、敬意をもって接しましょう。